「がじゅまるの家」が大賞 住友生命の「子育てプロジェクト」 奄美群島で初の受賞

2024年03月06日

社会・経済 

野村知司こども家庭庁長官官房審議官から表彰状を受け取った野中涼子理事長(右)=5日、東京都中央区

第17回「未来を強くする子育てプロジェクト」(住友生命保険相互会社主催)の最高賞の「スミセイ未来大賞」と「内閣府特命担当大臣賞」に、徳之島町のNPO法人親子ネットワーク・がじゅまるの家(野中涼子理事長)が輝いた。東京都内で5日、表彰式があり、野中理事長らが出席し表彰状を受け取った。

 

同プロジェクトは、地域で子育て環境づくりに取り組む個人・団体の表彰と活動支援が目的。これまでに182組を表彰、支援。今回は全国から子育て支援を行う個人・団体183組から応募があった。奄美群島からの表彰は初めて。

 

がじゅまるの家は2006年10月に活動開始。転勤などで島へ転入してきた母親らが、地域のネットワークになかなか入れず孤立してしまう傾向があることに気付き、子育てサークルから始めた。

 

子育て環境を巡るさまざまなニーズに応えながら、病児保育や企業主導型保育園の開設なども展開。近年は、「子ども第三の居場所」や「子ども食堂」を手掛けているほか、20年には妊娠相談窓口「にんしんSOS」を開設し、県内全域で活動。現在のスタッフは18人に上る。

 

受賞のあいさつで野中理事長(47)は「子どもの成長に従って親子の悩みや課題は変わってくる。18年間続けてきたが、地域づくりにもつながっていくと感じている。子宝の島、徳之島から日本の子どもたちを育て、50年後の日本を作っていく活動として広く発信できることになるとうれしい」と述べ、受賞を喜んだ。

 

こども家庭庁長官官房審議官の野村知司氏は「徳之島唯一の子育て団体として、乳幼児からその親、児童に対しての全体的な支援を手掛けているだけでなく、島の外での活動にも広げ、子どもたちの未来を地域全体で見守っていく環境づくりに努力されている」とその活動をたたえた。